誰にでも「人生で一番好きな曲」がありますよね?
その質問をされたら、私は「アルフィー」と答えます。
たいていは「え、あの?」と聞き返され、「いや、違うで、メリーアンとかのと違って・・」というやりとりに。
もちろん「メリーアン」「星空のディスタンス」は、アラフィフ世代なら脳裏に焼き付いて一生忘れることはないでしょう。
しかし私が人生で一番好きな曲は「違うほう」、バート・バカラックの「アルフィー」です。
ハル・デヴィッドとバート・バカラックの「アルフィー」
「アルフィー」は1966年の映画「ALFIE」の主題歌で、ハル・デヴィッド(アメリカ/1912-2012)作詞、バート・バカラック(アメリカ/1928-)作曲。
二人は名コンビで数々のヒット曲を産みだしています。

特にバート・バカラックは音楽ファンならよくご存じ、20世紀有数の作曲家と言われたりします。
ヒット曲を少し紹介すると
「雨にぬれても」
Raindrops Keep fallin’ On My Head
B.J.トーマス 1969
「遙かなる影」
(They Long to Be) Close to You
カーペンターズ 1970
「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」 Arthur’s Theme (Best That You Can Do)
クリストファー・クロス 1981
「愛のハーモニー」
That’s What Friends Are For
ディオンヌ&フレンズ 1985
私が好きなバカラック4選はこんな感じ。どれも珠玉のメロディー、それこそ一生聴き続けると思います。
しかし、敢えてハル・デヴィッドの名前を先に出したのは、2つ理由があります。
一つは、私はこの曲の魅力の半分以上は歌詞にあると思うこと。
もう一つは、ハル・デヴィッドが先に詞を書き、バカラックが後で曲を付けたから。つまり詞が違えばこの名曲は生まれなかったかもしれないのです。
人生で大切なものはなに?
映画「ALFIE」のTV放映時タイトルは、「華麗なる色事師」→すごいタイトルですね(笑)

私は映画は見ていないのですが、簡単にいうとこんなストーリーだそうです。
定職をもたず、次々と女をかえていくアルフィー。人妻や看護婦、少女までも手をつけて、最後にたどり着いたのは富豪の未亡人ルビィだった。だが、やっと身を固める決心をつけたとき、ルビィは他の男に走ってしまう……(出典:allcinema)
女性に求めた心の安定は結局叶えられず、女性を失った彼はどうして生きていけば良いのかわからなくなってしまう。そんなラストシーンで流れる曲のようです。
人を裏切り続け、不誠実に生きていた代償というところでしょうか。
ハル・デヴィッドは、不器用でも誠実に生きることの大切さを、平易な言葉で見事にあらわします。
そして最後に、見つからないなら心に従って生き、これから探せばいい、と語りかけます。

恋愛に限ったことではなく、一つの後悔もなく生きていける人はほとんどいないでしょう。
だから、人の心をうち、多くの歌手にカバーされているのだと思います。
たくさんのカバー曲

ハル・デヴィッドの極上の素材を、バート・バカラックが超一流の料理に仕上げた「アルフィー」、多くの歌手が歌っています。
〇シェール
〇シル・ブラック
〇ディオンヌ・ワーウィック
〇バーバラ・ストライザント
〇チャカ・カーン
〇ヴァネッサ・ウィリアムズ
〇ホイットニー・ヒューストン
※歌っていませんがビル・エバンス(ピアノ)、スティービー・ワンダー(ハーモニカ)のカバーもあります。
おそらく他にも無数のカバーバージョンがあるのでしょう。
私が初めて聞いたのはヴァネッサ・ウィリアムズで、田村正和さん、木村拓哉さん、宮沢りえさんなどが出演されているドラマ「協奏曲」の主題歌だったようです。
私はこれも見ていないのですが、覚えている人もおられますかね?

女性のカバーが多いので、てっきり女性が主人公の曲だと思っていましたが、実は男性だったことは意外でした。
その中で、私が大好きになったきっかけは、テレビで見たバート・バカラック本人の歌唱でした。
上記に挙げたカバー曲と比べると、おそらく一番上手くない(失礼!)ですが、画面に映される歌詞とささやくように歌う姿が、とても印象に残りました。
バカラック本人も自分の曲の中で一番好きだと告白し、ハル・デヴィッドの偉大さを称える言葉の後に歌いだしているので、なおさら感動したのだと思います。
どんな詞と曲なの?
豪華なカバー歌手が勢ぞろいする中で、すべての人が賛同するとはとても思えませんが、、自分にはこの歌、この訳詞のアルフィーが「最高の一曲」です。
生きるってどういうこと アルフィー?
今がよければ それでいいのかな?
生きるってどういうこと?
いろんな事を計りにかけたとき
大事なのは自分の幸せ?
それとも人の幸せ?
親切な人は損をすると言うなら
容赦なく生きる方が 賢いのかも知れない
強い者だけが生き残ると言うけれど
君はこの黄金のルール※をどう思う?
※「自分がしてほしい事を他人にしなさい」という黄金律
ぼくは 天国は確かにあると信じているけれど
もっとすごいものの存在も信じている
神を信じない人でも 信じられるものの存在を
愛を信じるかい アルフィー
本当の愛がなくても生きてはいける
でもね アルフィー
今まで知らずにきた愛を見つけなければ
意味がないんだよ
これからは心に従って 生きていくといい
そうすれば いつかきっと愛は見つかる
アルフィー
What’s it all about, Alfie?
Is it just for the moment we live?
What’s it all about when you sort it out, Alfie?
Are we meant to take more than we give
Or are we meant to be kind?
And if only fools are kind, Alfie
Then I guess it’s wise to be cruel
And if life belongs only to the strong, Alfie
What will you lend on an old golden rule?
As sure as I believe there’s a heaven above, Alfie
I know there’s something much more
Something even non-believers can believe in
I believe in love, Alfie
Without true love we just exist, Alfie
Until you find the love you’ve missed you’re nothing, Alfie
When you walk let your heart lead the way
And you’ll find love any day, Alfie
Alfie …
普通に生活していても、理不尽なこと、不公平だと思うことなどいくらでもありますよね。
そんなときこの曲を思い出すと、他人には他人の考え方がある、自分はいつも自分らしく居ようと思えます。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
おまけに各カバー曲もご紹介
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