WBOバンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン) VS WBA同級レギュラー王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ) の一戦は2-1のスプリット・ディシジョンでカシメロの勝利に終わりました。
スコアは113―115、116―112、117―111。スコアからみればどちらが勝ってもおかしくない好試合ですが、もう一つのデータがこの試合の実態を物語っています。
ボクシング統計を扱う米コンピュボックス社によると、パンチ数はリゴンドーの221発中ヒット44発に対し、カシメロは297発中ヒット47発。36年という同社の歴史のうち、12回戦で両者合計91発ヒットは最少という。
出典:日刊スポーツ
二人は井上尚哉戦へ向けて負けられない戦い、必死で勝ちに来ると思い少しは期待しましたが、、
まあカシメロはできることをやったと思います。中間距離から飛び込んで左フックの一発狙い、必死で追いかけ続けました。自分としてはもっと距離を詰めて接近戦へ持ち込んでほしかったですが。
リコンドーは常軌を逸した超ディフェンシブな戦いに終始、これまでアンチを大量生産してきた塩ボクシングの集大成(醜態成?)。1回からサークリングし続け、相手のパンチを避けつづけました。
セコンドのロニー・シールズはもっと打てと言い続けたようですが、どこ吹く風のヒラヒラ戦法。
やはり打たないと当たらない。
勝つためにこの方法を選んだのでしょうが、負けてしまえばもう商品価値は無いでしょう。
グッバイ、リコンドー!もう見ないで済むんだね。
この試合で「私が選ぶ三大試合後にがっかりするチャンピオン」中、トップに躍り出ました。
1位:ギジェルモ・リコンドー 20勝2敗1分け13KO 2階級制覇チャンピオン
2位:フロイド・メイウェザー Jr 50勝無敗27KO 5階級制覇チャンピオン
3位:パーネル・ウィテカー 40勝4敗1分け17KO 4階級制覇チャンピオン
まだメイウェザーとウィテカーはエンタメ精神がありましたが、このキューバ人はゼロです。
それにメイウェザーなら、リッキー・ハットン戦のように倒していたかもしれません。
計量セレモニーのフェイスオフの時にも、カシメロにサングラスを取れ!といって取らせたのはいいが、取ったサングラスを渡されてどうしたら良いか分からす、結局自分でサングラス掛けてましたからね(笑)
なんでお前が掛けてんねん!その辺に捨てたらええやん!と思いますわ。
試合後のインタビューでは、「誰も私と戦いたくない。だからあの展開になる」と意味不明発言。これは同時通訳が意訳してしまったのか。。。
一方のカシメロは試合に勝つことが一番重要で、しかも自分のスタイルを貫きとおしたのですから、私はあっぱれと思います。リコンドーがカウンターを合わせられなかったのはまぐれでなく、集中力とディフェンスの意識、技術があったんですね。
カシメロは下手だと評する声も多いですが、逃げ回る「あの」リコンドーに当てられる選手がどれだけいるのでしょうか。
それと、途中から当たらなくても攻勢を取り続けて、しかも一発パンチをもらわない戦いを意識的にしてポイントを取る作業をしていたのかもしれません。意外とボクシングビリティの高い選手なのかもと感じます、4敗していますが経験の中で状況判断の良い選手になってくるのはよくありますから。
あるいは、1ラウンドの猛攻でリコンドーがパンチの威力を悟って、パンチを積極的に打てなかったのかもしれません。いずれにせよカシメロは実力で下馬評をひっくり返しました。
井上戦、ドネア戦どちらでも楽しみな試合になると思います。もちろんレジェンド級の二人が相手ですから、武器の少ないカシメロは不利です。
総合的な戦力が違うので試合は早く終わるかもしれませんが、カシメロは単なる野蛮人でなく、よく訓練され経験を積んだウォリアー(戦士)なのです。そう思わせる試合でした。
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