「ザ・ワークス」はクイーンの作品中でどんな立ち位置ですか?
私の中では決して代表作では無いが、新旧クイーンの要素が入り混じった入門編として聞けるし、曲は粒ぞろい。
クイーンに何を求めるか?できまるかな。
冒険心やアッ!とリスナーを驚かすような奇抜なアイデアを求めるならイマイチ、ライブで一緒に歌えるいい曲やフレディのボーカルが好き、という方にはGOODでしょう。
このアルバムが発売された1984年、私は13歳でした。
初めて新作として買ったクイーンのアルバム 、楽しみと不安が入り混じる気持ちでレコード盤に針を落とした事を覚えています。
当時LPは3,000円くらいしましたから、宝物みたいな存在でした!
でも当時を思い出すと、、結構苦い気持ちがよみがえります。。
1984年のクイーン
1984年、当時13歳の子どもにとって、とにかくクイーンの情報って少なかったです。
バンドや音楽情報はほぼ「MUSIC LIFE(シンコーミュージック)」、あとはFM-STATIONかFM-FANなどのFM雑誌。
当時、「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれる、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、カジャグーグー、ヒューマン・リーグ、スパンダー・バレエ、少しおくれてWHAM!など、若くてカッコいい、音楽もPOPでニューロマンティック系のおしゃれな音楽が多かったです。
そこにベテランの域に入ったクイーンの出る幕はなかった。。。
アルバムのレコーディングはドイツで行われており、プロデューサーはマックという情報と、一枚の集合写真くらいしか雑誌には載っていないし、「MUSIC LIFE」が発売されるたびに表紙がクイーンでないことにがっかりしていました。
そして、遂にアルバムが発売。当時レコードを予約して買った憶えがあります。
当初満足できなかった「ザ・ワークス」
ファーストシングルの「Radio Ga Ga」、イギリスでヒットしており期待して聞きましたが、正直肩すかしを食らいました。ブライアン・メイのギター入ってないの??ピコピコしてるし・・

「Tear it Up」単純すぎるやん・・、「Man On The Prowl」ロカビリーいらんなぁと、A面(レコードなので)の印象はよくなかったです。
B面は悪くないけどパンチに欠けるな、という感じです。
つまり、13歳の自分は「伝説のチャンピオン」「愛にすべてを」「キラー・クイーン」のような、ザ・クイーン的な世界の復活を求めていたのでしょう。
妄想① セカンドシングルの予想は大はずれ
自分にとってイマイチだった「Radio Ga Ga」の次のシングルは何だろう?何とか挽回しないと。。と勝手に考えていた私は次のシングル候補を予測しながら聞いていました。
その予測は
「Keep Passing The Open Windows」
セカンドはこれで行こう!と、センスないわー。
もちろん実際のセカンドシングルは「I Want To Break Free」、サードが「I’ts a Hard Life」、次が「Hammer To Fall」ですね、確か。
みんなそれなりにヒットしましたね、今ではどれも人気曲になりました。
妄想② もし1曲目を変えられるなら?
次の妄想は、自分としてはB面1曲目の「Machines」がカッコよくて、これをA面1曲目にしたら良いんじゃないのかと思いました。
A1でアルバムの印象はガラッと変わりますから、今よりロックアルバム色が強くなっていたと思います。やっぱりクイーンのアルバム1曲目はちょっと変な曲じゃないと(笑)
当時クイーンは映画「メトロポリス」とタイアップしていて、機械に支配される人間を描いたそのイメージともピッタリでした。「Radio Ga Ga」のPVやフレディの「Love Kills」のあれです。
また、「I’ts a Hard Life」 はアルバム随一の推し曲です。「Play The Game」系の曲ですが、イントロのオペラ、華麗なコーラス、ブライアンのギター・オーケストレーション、これぞクイーンというサウンド。歌詞も美しく、フレディが愛する苦しみで悶えている姿を想像します(笑)。
ビデオクリップもヤバかったです(笑)、ファンとしては大好きな世界観なのですが、一般人から嫌われるからもうやめてくれーと思ってました。
ブレイクフリーのビデオがとり沙汰されますが、あれはまだ冗談と判ります、 「I’ts a Hard Life」 はすてきだけど、一般の人にはどうなんやろ・・オペラの1場面なのですかね。
でも思い入れは一番
やはり初めて新譜で買ったクイーンのアルバム、あまりレコードを持っていなかったこともあり、聴きまくりました。
購入当時はもっと頑張れ!と思った内容も、今となってはいい曲ばかりでクイーンのアルバムの中でも聞く回数はTOP5に入っています。
ロジャーがヒットメイカーになり、この後「A Kind Of Magic」もヒット、評価が上がったアルバムですし、ちょっと寂しいですが全曲フレディが歌うことになるなど、バンドに変化を与えました。
Radio Ga Gaがなければ、LIVEAIDでもあれほど盛り上がったか判りません、映画でもRadio Ga Gaのシーンはハイライトですから、やはりクイーンにとって一つのポイントとなりました。
これからも聞き続けようと思います。
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