2021年7月9日のネットニュースにこんな記事がありました。
ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のプロモーターを務めるカレ・ザワーランド氏は「THE ANSWER」の単独インタビューで、ドネアとの再戦には否定的な見解を示している。
「イノウエとドネアの再戦を期待する声はファンのみならず、ボクシング界にもあります。ですが、私はそうは思いません。
1戦目はスペシャルな試合でした。
“ドラマ・イン・サイタマ”という異名にふさわしい。あの名勝負の記憶を台無しにする可能性があります。だからイノウエ対ドネアの2戦目を私は見たくない。
確かにドネアとイノウエは大激戦でした。アジアのボクシング史上で最高の名勝負だったかもしれません。その結果、各国メディアで年間最高試合に選出されました。
疑いの余地はありません。
2人はあの決勝の舞台で全てを出し尽くしたと思います。
ドネアは間違いなく殿堂入りするファイターです。
オレなら戦える、勝てる、と言うでしょう。
ですが、当時から2年も経っているのです。どんな偉大なファイターでも年齢に勝つことは困難です」
THE ANSER
第1戦は年間最高試合7冠です。
- 世界ボクシング協会(WBA)
- 米スポーツ専門局「ESPN」
- 米専門誌「リング」
- 英専門誌「ボクシングニュース」
- 全米ボクシング記者協会
- 米ヤフースポーツ
- IBF表彰
次はこれ以上名勝負にはならない、という事ですね。
ニュースのコメント欄も同調する意見がよく見られます。
あの素晴らしい戦いは一回だけでいい。普通に考えればさらに力の差が広がっただろう。
ボクシングや総合格闘技は、年間数試合しか出来ないんだから、そんな無駄をしてほしくない。何で同じカードを何度も観ないといけないんだよ。
ドネアが偉大なのは充分承知のうえですが、2戦目があるとしたら中盤までにケリがつくでしょう。
しかし、もう一度観たいという意見もかなり見られます。
私も観たい!派です。理由を3つ。
ドネアには戦う権利がある
WBSS決勝へのドネアの道のりは、決して十分ではなかったと思います。
ライアン・バーネットは相手の棄権(記録はTKO)、ステファン・ヤングは逃げたテテの代役だったので、正直ラッキーと思っていました。
対してモンスターは、パヤノを70秒、ロドリゲスを259秒で倒しています(笑)
ボクシングファンの多くは「前半KO」をイメージし、案の定1ラウンドは井上のガードの上からのフックに吹っ飛ぶドネアの姿をみて、時間の問題だとみていたと思います。
しかし結果はご存じの名勝負。負けたドネアの方も自信を取り戻す結果となりました。
その後、拓真を破っている全勝のノルディーヌ・ウーバーリを巧みなステップとインサイドワークで混乱させた末、伝家の宝刀左フックで撃墜します。
正直ウーバーリが勝つと思っていたファンも多かったのではないでしょうか?
ちなみに井上選手も「俺はウバーリの僅差判定勝ち ただドネアの一発にも期待!!」とコメントしていました。
ドネアへの応援を込め、大多数の気持ちを代弁したかのような、非常に判りやすい予想です。
この辺りも井上選手の頭と人柄の良さが表れていますよね。
とにかく、コロナ禍で試合数が減り体調を整えた事もあったのか、バンタムのドネアは動けるし、フェザー時代のように大振りはしないし、攻防のテクニックを見られる、いまも本当に面白い選手です。
現WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネアは実力で対抗王者として君臨しているわけですから、戦う権利は十分すぎるくらいあります。
2年で衰えたと言えるのか?自分には根拠がありません。
「Ⅱ」の名勝負列伝に加わる可能性がある
ライバル同士の因縁の対決、リングに二人が上がるときの高揚感、それが第2戦の醍醐味ですが、名勝負ありますね。
例えば、
- アリ-フレージャー
- プライヤー-アルゲリョ
- 張正九-大橋秀行
- タイソン-レーザー・ラドック
- パッキャオ-モラレス
実力伯仲のトップボクサーが死力を尽くして作りあげる「Ⅱ」。
「Ⅱ」って惹かれます!
たとえ早い回で終わっても問題ありません、ハンパなくワクワクします。
井上がこれら「Ⅱ」名勝負に仲間入りできるのは、現在ノニト・ドネア戦しかありません。
井上選手が倒れるかも?というシーンが想像できる
ロドリゲス戦まではほとんど無傷だったモンスター。
あのミサイルが飛んでくるまでは・・
個人的にはあの2ラウンドは、時々井上選手が見せる「ちょっとロープ際に下がって相手のパンチを見極めながら、チャンスがあればカウンターを取って」、というシーンのように感じました。
その間がまさにドネアのフックのタイミングとドンピシャ。
やっぱり1ラウンドでいけると思い、余裕が出たんですかね。
以前は時々気を抜く場面があると言われていましたが・・
ドネアは井上選手にもウーバーリにも相手を少し下らせてカウンター気味に打ってますね。
ダルチニャン戦・モンティエル戦・アルセ戦の3大ノックアウトもカウンターですし、本当に左フックカウンターは芸術です。そして破壊的。
西岡選手が右手を頬から離さなかった事をいつも思い出します。
ドネアがロープ際に相手を下がらせると目を離せません。
そして井上選手、第2戦も左フック対策は十分立てて、今度はモンスターがドネアを踏みつぶすと予想するのは戦力分析上納得です。
しかし、戦いのさなか、ふと「あの距離・あのタイミング」が訪れるとしたら・・
井上選手も好戦的ですからね。
この3つの理由からノニト・ドネア戦やっぱり観たいです。
カシメロ-リゴンドーはどちらでも良いので・・見ますけど。
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